浜松町の過緊張・強ストレス専門サロンの岡本真由美です。
話題の「ショートスリーパー」の是非について

以前から、S’UIMINのコラムやYouTubeで拝見している睡眠学者の柳沢正史先生が、アメリカで最も権威があるといわれる医学賞「ラスカー賞」を受賞されました。ノーベル賞の有力候補とも言われる先生です。そしてネットでは今、「ショートスリーパー」がとても話題になっています。
ショートスリーパーとは、そもそも何なのか。良いのか、悪いのか。過緊張・強ストレス専門のサロンで、日々ハードワーカーの方々の体に触れている私が感じてきたことも交えて、書いてみたいと思います。
睡眠学者・柳沢正史先生のこと
衝撃だった「寝ないと太る」
私が柳沢先生を知ったのは、NewsPicksの番組でした。その後PIVOTや堀江貴文さんとの対談などを拝見して、ひろゆきさんとの対談「あなたの睡眠知識、間違ってます!」をオーディブルで拝聴しました。
「寝ないと太る」「ショートスリーパーは単なる睡眠不足」「徹夜明けの脳は、酔っ払っているのと同じ状態」衝撃の発言の連続で、目が釘付けになりました。中世では寝かさないことで死刑にする「断眠刑」というのもあったとか・・・(嫌すぎる)。そして個人的に興味を惹かれたのが、「寝貯めはできない」ということと、「朝型・夜型は遺伝で決まっている」という話です。
寝貯めはできる?夜型は悪?
週休二日のサイクルの場合、平日は睡眠不足で土日にたっぷり寝貯めするという人も多いと思います。しかし柳沢先生によると、寝貯めってできないそうなのです。たまった睡眠負債を完済するには4日ほどかかるそうで、次の日たっぷり寝ても、土日に寝貯めしても、それでは全然足りないそう。それに人間は睡眠が足りていると寝ようとしても寝れない。つまり、先に寝ておいて貯金する、という意味での寝貯めはできないそうなのです。明日から徹夜が続くから、よーし今日は一日中寝て寝貯めしよう!というのはそもそも不可能だったんですね。
ちなみに、アルコールの力で強制的に寝ようとするのは、眠っているというより昏睡に近い状態で、良く眠れているのとはまったく違うものだそうなのでやめた方がいいとのこと。今は先生のオレキシンの発見から生まれた、副作用の少ない新しいタイプの睡眠薬もあるそうで、アルコールよりはそちらの方がずっと安全で良いとのこと。
生まれつきの夜型人間
柳沢先生によると、朝型・夜型は遺伝により決まっていて、午前中にパフォーマンスが上がる人と、深夜に頭が冴える人、それぞれ生まれた時から決まっているそうです。これには私も自分自身の体感として納得で、典型的な夜型人間なのです。夜の方がこういう文章を書く作業がとても捗ります。午前中に何度か挑戦してみましたが、なんかダメ。逆に午前中はサロンワークなど体を動かす方が向いているなと感じています。
田中渓さんや河村真木子さんに憧れて朝活にも何度かトライしてみたのですが、どうもダメ。何度やってもどうしても夜の方が文章を書いたり暗記したりする作業が捗る。なんて自分はダメなんだ・・・と落ち込んだ時期もありましたが、柳沢先生の話を聞いて気が楽になりました。自分の体内時計に合った生活サイクルが一番生産性が上がると感じました。
日本人は、世界でも眠っていない国
日本人は、世界でも睡眠時間が短い国で、欧米の先進国と比べると1時間ほど短いそうです。GDPが高い国ほどよく眠っている傾向があるのに、日本はなぜかその逆。眠らないことが偉いと思われている風潮もあります。同じ人間なのだから、日本人だけ短い睡眠で平気なはずがない。無理をして、脳のパフォーマンスが落ちている状態だと考えられる、と先生は話しています。「昨日も寝てないんだよね」が、どこか自慢げに語られる日本。働き者で真面目な国民性もあるのかもしれません。ショートスリーパーはなんだかかっこいい、という空気もあって、短い睡眠を自慢する人も少なくありません。
ちなみに柳沢先生ご自身は、0時から7時を睡眠の時間と決めているそうです。
本物のショートスリーパーは、1000人に1人もいない
では、ショートスリーパーって本当にいるの?柳沢先生によると、1日5時間以下の睡眠でも健康で、眠気も感じない「トゥルーショートスリーパー」という人は確かにいて、1000人に1人もいないほど。下手したら何万人に1人かも?というくらいだそうです。専門に研究している学者の方もいて遺伝によるものと考えられていますが、仕組みはまだ分かっていないそうです。
そして、ショートスリーパーを自称する人のほとんどは、実は「単なる睡眠不足」。本来の力を出せていないうえに、訓練でなれるというものでもない。必要な睡眠の量は遺伝で決まっているので、訓練でショートスリーパーになれる、というのは嘘だそうです。
暗い・静か・朝まで適温
先生が提唱する良い睡眠のための環境は、「暗くて静かで、朝まで適温」の3つが揃っていること。意外だったのは、今どき寝室にスマホを持ち込むなと言うのはナンセンス、という話です。ただし、ゲームやショート動画のように、脳が興奮してドーパミンが出てしまうものは見ない。先生ご自身が寝る前に実践しているのは、読みたくない、つまらない論文をあえて読むことだそうです(笑)。そうすると自然に眠気が来るそう。
実際にクライアントさんを見ていて
サロンのクライアントさんを見ていても、睡眠時間が体に出ると自覚している方は多いと感じます。寝不足が続くとすぐ肌に出て、細かい吹き出物ができてしまう方。体重が増えてしまう方。目の下のクマやむくみが出る方。
体だけではありません。しっかり寝られていないことでミスが増える、イライラする、普段は許せる子供のおふざけが許せなくてキレる、などなど。眠りが足りないと、体だけでなく心の余裕まで削られていきますよね。過緊張が続いている方はその状態にすらもう慣れてしまっていて自分では感じなくなっている、という方もいます。一度の施術でも緩めることはできますが、生活の中に組み込んでうまくバランスが取れるようにならないとすぐに元の生活に戻ります。
ショートスリーパー、もしなれるなら
正直に言うと、もしショートスリーパーになれるなら、私もなってみたいと思います。時間は誰にでも平等に24時間しかなく、その3分の1を睡眠に使っているのですから残りの時間で成果を出さなければいけません。あっという間に一日が終わってしまったり、仕事がノってきたところなのに次の日のことを考えると寝ないといけない・・・タイムオーバーなんてことが日常茶飯事。あ〜あと2時間やりたかったな、もし毎日1〜2時間の睡眠で済むなら、20時間以上を活動に使えるわけで、すごい生産性爆上がりしそう!と思ってしまいます。
でも私の場合、これまで色々トライしてみた結果、昼間に普通に起きて仕事ができる状態でいるには、5時間はギリギリ。それを切ると、自分でもパフォーマンスががくんと落ちるのが分かります。クライアントさんがいる時間はおそらくアドレナリンが出ているのか冴えているのですが、お帰りになった後すぐに片付けに入れずに座りたくなったり、エネルギー切れを起こしているのを感じます。柳沢先生も、睡眠不足で体に力が入らなくなることがあると言っていました。てきめんなのが、その夜の作業。ブログを書こうとしても言葉がすぐに出てこなくなる、英単語が覚えられない。記憶や暗記にははっきり悪影響が出ると、身をもって感じています。6時間以上眠れると、やっぱりその日の生産性が全然違うと感じます。
眠りはまだまだ研究中だそうです
まだまだはっきりとわかっていないことが多いという人間の眠り。面白いですよね。これから先、もしかしたら何かすごいメカニズムの解明や発明があって、人間が1日に1時間睡眠で良くなったり、自分のタイミングで好きなように寝貯めできたりするようになるかもしれませんね。でも人類が何万年もかけて出来上がった今のメカニズムなので、自分が生きているうちは無理そう。それまでは睡眠は自分で整える必要がありそうです。
私はこれからも都心の過緊張・強ストレスの人のパフォーマンスを上げることに精進します。
(余談ですが、色々やり散らかしている英語の勉強、やっぱり最後は単語に戻ってきて。これが睡眠不足だと本当に覚えられなくて)